X-BAND

ネットゲーム

X-BAND

これはゲームと言うか、スーパーファミコンに接続するネット対戦キットのようなものでした。このハードにモデム機能がついており、本体にこれをセットし、そこにカセットを挿すことにより、ダイアルアップ接続による通信対戦ができるという画期的なシステムです。

インターネットが家庭に普及していない時代だったこともあり、通信方式は工夫がされていました。まずはX-BANDのサーバーに接続し、そこでマッチングが振り分けられ、それからマッチングした相手に自動でダイアルアップ接続がなされて対戦が行える、というシステムです。

地域によるマッチング制限などはなかったために、遠隔地にいる相手と対戦する場合にこちらが接続をする側だと長距離電話になり、電話料金がかなり高額になってしまうという罠がありました。

僕がこれを勧めた友人は考えなしに対戦を延々行っていたら電話料金が月額10万円近くになってしまい、親に取り上げられてしまった…なんてこともありました。

またこのX-BANDが時代の先を行った点として、単に対戦を接続すると言うだけではなく、コミュニケーション機能が備わっていた点が挙げられます。

アカウント名によるショートメールのような機能があり、対戦相手などと文章をやり取りすることができましたし、X-BANDサーバに接続すると今で言うウェブサイトのようなものもあり、お便り紹介コーナーなどで交流することもできました。

僕も一度投稿が掲載され、全国からメールがたくさん来た覚えがあります。

また、コアなゲーム関係者が遊んでいたようで、任天堂信者漫画家で有名なのピョコタン先生などはX-BANDのつながりでゲーム業界と関わるようになったなどのエピソードがあります。

結局本国の業者が日本から撤退してしまったためにスーパーファミコン向けのサービスは2年持たずに終わってしまったものの、セガサターン向けのサービスはセガが引き継ぎその後も継続されたということです。

今でこそゲームのネット対戦は当たり前過ぎて、むしろゲームセンターなどが衰退していってしまっている時代ですが、当時としてはインターネットやパソコン通信もマニアのおもちゃだった時代、家庭用ゲームハードを使ってその場にいない全国の人間と通信対戦ができるということはとても魅力的でした。

この後インターネットの普及とともにネットゲームは少しづつ広まっていくわけですが、それでもそれはあくまでネットゲームとしてデザインされたゲームをプレイするものであり、家庭用のメジャータイトルを無理やりネット対戦ができるようにしてしまったという発想は素晴らしいです。

しかし全国で高額電話料金問題を起こしたり、ハードに不備がありX-BAND側で利益を出すはずの課金カードの度数が減らない裏技があったりと、黎明期ならではというエピソードも多く、歴史の中では埋もれるべくして埋もれてしまった、という評価になってしまうでしょう。

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